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森田 安親(もりた やすちか、生没年不詳)は、江戸時代中後期の京都の浮世絵師。
師系不詳。京都の人。李村と号す。文化頃に、主に肉筆浮世絵を描いている。
「廓風景図」は夜も更けた妓楼内で騒然とした風景が繰り広げられている様子を描いている。夜回りが拍子木を叩いて歩く廊下には、御簾紙、履物が散乱する中を女郎が忙しく行き来し、また、部屋では杯盤狼藉の末に粗相をする酔客やら、喧騒をものともせずに文を書く遊女など、皆、思い思いに勝手のし放題である。
本図は浮世絵によくある理想化された廓内の描写ではなく、悪所場・遊里の真実を赤裸々に捉えているという点で、大変興味をそそられるものである。なお、画中画の部分に「雲夢峰安親」と記されている。