勝川春好

(かつかわ しゅんこう)

勝川 春好(かつかわ しゅんこう、寛保3年(1743年) - 文化9年10月28日(1812年12月1日))は、江戸時代中期の浮世絵師。

来歴

勝川春章の門人。姓・清川、名・伝次郎。勝川を称し、明和(1764年-1772年)末年から作画し始めたが、天明7-8年(1787年-1788年)頃、中風を患い、右手が使えなくなったため、以降は、左手で僅かな量の洒落本の挿絵を描き、落款に「左筆」と記している。

作品は、細判の役者絵が最も多く、細判二枚続、三枚続に特色が見られる。役者大首絵の他、相撲絵も数多く残している。代表作には、後の東洲斎写楽に影響を与えたとされる、天明8年(1788年)から寛政2年(1790年)頃の半身像による大首絵をさらにクローズアップさせたブロマイドのような「大顔絵」で、17点を数える。

錦絵の作品としては、「市川蝦蔵の暫(しばらく)」(所蔵先不明)、「中村仲蔵の石川五右衛門」、「市川高麗蔵・大顔」、「楽屋内・中村仲蔵」(以上東京国立博物館所蔵)などが挙げられる。

相撲絵としては、「柏戸・江戸が崎・谷風」(東京国立博物館所蔵)が知られ、肉筆美人画では、享和3年(1803年)作画の「達磨と遊女図」(東京国立博物館所蔵)が挙げられる。享年70。

作品

  • 「達磨と遊女図」紙本着色 東京国立博物館所蔵
  • 「春好自画像」紙本着色 浮世絵 太田記念美術館所蔵

勝川春好の作品所蔵美術館