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石川 昔信(いしかわ せきしん、生没年不詳)は、江戸時代の浮世絵師。
石川豊信の門人。姓は阿達。円月堂、照葩と号す。延享(1744年 - 1748年)から寛延(1748年 - 1751年)頃、師の画風を継いだ肉筆美人画を描いた。遺作は極めて少ない。
代表作に、「若衆人形遣図」が挙げられる。この図は、奥村政信の紅絵「人形を遣う佐野川市松」を左右逆にした類似の構図を持っている。人形を操るいわゆる人形遣いの立姿は、浮世絵の好画題の一つであり、人形遣いを若い女性か若衆に置換えて描くのが常套的で、本図も前髪を頭に残した娘と見紛う少年が、笠を手にした旅姿の女の人形を操っている。上の着物をはだけ、水仙の花散らし模様の派手な衣装が、少年ながら、いかにも人形遣いらしくて粋である。