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麦大(ばくだい、生没年不詳)は、江戸時代中期の浮世絵師。
師系不詳。姓名不詳。宝暦(1751年 - 1764年)から明和(1764年 - 1772年)頃、肉筆浮世絵を描いている。「蚊帳美人図」は座敷に吊った蚊帳から若い娘が身を乗り出して、手紙の文章を考えあぐねている様子を描いている。
当時、窮めて高価な斑入りの鼈甲の櫛や笄を髪に挿したこの女性は、やはり遊女であろうと思われる。薄い浴衣の裾や、胸元のやや乱れた様子などは巧みな描写である。その画風、殊に顔の表情などには、錦絵を創始した鈴木春信の色濃い影響も看取される。落款は無く、「麦大」の朱文方印が捺されている。