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守房(もりふさ、生没年不詳)は、江戸時代中期の浮世絵師。
師系不詳。姓は不詳。享保(1716年 - 1736年)年間に肉筆浮世絵を描いている。「落し文図」は、懐手にそぞろ歩く美女と、傍らに意味ありげな結び文を描いている。
女は大きな桜花模様の小袖を優雅に身に纏う遊女であろうが、その表情には気品がある。また、文は彼女が思慕を寄せる男性に対し、それと気づいて拾って貰おうと書いた落し文であろうと思われる。
図に添えて「文みてももの思ふ身とそなりにけるさののつきはしとたえのみして」という歌が散らし書きされている。恐らくはこの歌の作者が実在し、絵はその女性を描いたものであろう。「守房」の落款と、「守房之印」の白文方印が捺されている。