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鳥園斎 栄深(ちょうえんさい えいしん、生没年不詳)は、江戸時代の浮世絵師。
鳥文斎栄之の門人。姓名不詳。豊川、疎天斎、後に豊川如山とも号す。寛政から享和(1789年から1804年)にかけて、喜多川歌麿風の美人大首絵10数点と、肉筆浮世絵10数点を残している。大首絵、柱絵に優れた作品がみられる。その画風は、栄之、栄水に加えて、歌麿の影響を感じさせるものであった。版本の挿絵は、描いていない。
錦絵では、「鷹匠図」(東京国立博物館所蔵)、「封じ文」(ニューヨーク公立図書館所蔵)、「青楼の正月 扇屋内花扇」(ミネアポリス美術館所蔵)などが知られる。
肉筆浮世絵は、「遊女図」、「立ち美人図」、「遊女二人立ち図」(以上東京国立博物館所蔵)、「立ち美人図」、「雪中美人図」、「遊女図」、「若侍図」、「円窓の三美人図」(以上光記念館所蔵)、「雪中傘持美人図」(鎌倉国宝館所蔵)、「装い美人図」(仙台市博物館所蔵)、「円窓三美人図」(奈良県立美術館所蔵)、「振袖新造図」(福岡市博物館所蔵)、「見立女三の宮図」、「立姿美人図」(以上熊本県立美術館所蔵)、「見立三聖図」(ボストン美術館所蔵)など十数点が知られる。
東京国立博物館所蔵の「遊女図」、「立ち美人図」、鎌倉国宝館所蔵の「雪中傘持美人図」、奈良県立美術館所蔵の「円窓三美人図」及び熊本県立美術館所蔵の2作品の落款は、「豊川栄深筆」である。福岡市博物館所蔵の「振袖新造図」の落款は、「栄深筆」である。熊本県立美術館所蔵の「立姿美人図」に、「疎天斎」の印が見られる。