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長谷川 光信(はせがわ みつのぶ、生没年不詳)は、江戸時代中期の大坂の浮世絵師。
西川祐信の門人と思われる。大坂の人。通称は庄蔵。柳翠軒、後に松翠軒と号す。享保(1716年 - 1736年)中期から宝暦(1751年 - 1764年)期にかけて活躍しており、墨摺絵、絵本の挿絵、肉筆美人画を描いている。享保期には柳翠軒と号し、寛延元年(1748年)以降、松翠軒と号している。
墨摺絵「大江山 酒天童子・源頼光」や「くらまの僧正・うしわか」においては、ともに柳翠軒長谷川光信と落款されている。享保9年(1724年)刊行の『鳥羽絵筆拍子』は、上巻に歌舞伎、中巻に武者絵、下巻に祭礼風景を描いており、鳥羽絵絵本の代表的作品である。
享保15年(1730年)刊行の自画作の絵本『絵本御伽品鏡』3冊(鯛屋貞柳序)、宝暦2年(1752年)刊行の狂歌絵本『絵本家賀御伽(かがみとぎ)』3冊(栗柯亭木端作)など、50種ほどの絵本の仕事を残している。様式的には西川祐信を継承している。
特に肉筆浮世絵の美人画に長じており、また、天保7年(1836年)に刊行された絵本『英雄画譜』1冊も知られている。寛延4年(1751年)刊行の『絵本藤の縁』3冊(方舟子撰)などにおいて松翠軒と号している。