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東燕斎 寛志(とうえんさい かんし、生没年不詳)は、江戸時代の浮世絵師。
鳥山石燕の門人。寛延(1748年 - 1751年)から宝暦(1751年 - 1764年)の頃、主として肉筆美人画を描いた。版画の作例は見られない。代表作として「雪中美人図」、「蹴鞠図」などが挙げられる。
「美人嗔焔(しんえん)図」は手灯りを持って手水遣いの途中で思わぬ男女の影法師が見えてしまったので振り返って聞き耳を立てれば、馴染みの義理を欠いた喃語の数々が耳に入り、許せないと嗔恚(しんい)の炎を燃やす美人といった感じを見事に表している。
「雪中美人図」は牡丹雪の降るなかを傘を差しかけられた遊女が歩いてゆく姿を描いており、胡粉を飛ばして表した雪と、着物の梅の枝柄の対比が早春の風情を盛り上げている。
何れの作品も独特の描線で、めりはりの利いた美人を描いており、寛志の画風がよく表れている。