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喜多川 常麿(きたがわ つねまろ、生没年不詳)は、江戸時代中期の浮世絵師。
喜多川歌麿の門人。文化(1804年 - 1818年)から文政(1818年 - 1830年)頃、歌麿風の肉筆浮世絵の美人画を描いている。
「蚕図」は若い娘が蚕の世話をする場面を描いている。蚕の世話をする様子は既に鈴木春信なども描いているが、それらは伝統的な「耕織図」を意識して画題に取り上げたものと考えられている。また、この風俗に一種の情趣を認め、それに事寄せて美人画に仕立てられ、本図も若い娘の容姿に主眼が置かれている。図の女性の顔には歌麿風が看取され、「麿」の字から歌麿の門人とされる。落款は「常麿」で、印文不明の白文方印と「麿」の白文方印が捺されている。