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川又 常正(かわまた つねまさ、生没年不詳)は、江戸時代中期の浮世絵師。
常正は、川又常行の門人。享保(1716年-1736年)-延享(1744年-1748年)期に、師・常行と同様の温雅な画風の肉筆美人画を数多く残している。釣雪斎と号したが、署名は「常正筆」でほぼ一貫している。
代表作として、「浴室脇の男女図」、「桜下遊女と禿図」、「見立許由巣父図」、「婦女観花図」、「桜下詠歌美人図」(以上東京国立博物館所蔵)、「羽根つき美人図」、「見立紫式部図」(以上出光美術館所蔵)、「青楼遊客図」(板橋区立美術館所蔵)などが挙げられる。
古典文学や故事を題材とした見立絵を得意とし、京都の人気絵師西川祐信の絵本から図様を拝借した。常正の描く美人は、その大半が少女のような愛くるしさを湛えており、その中性的な美人表現や風俗描写は鈴木春信と共通点が多い。現在確認されている作品数は50点前後。
門人に、川又常辰がいる。