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橘 守国(たちばな もりくに、延宝7年(1679年) - 寛延元年10月17日(1748年11月7日))は、江戸時代中期の大坂の浮世絵師。
狩野派の鶴沢探山の門人。大坂の人。本姓は楢村。名は有税。通称は惣兵衛または宗兵衛。後素軒、大助、楢村有税子と号す。その画法を伝えるために多くの絵本を刊行し、上方の浮世絵界に大きな影響を与えている。
作品として、正徳4年(1714年)刊行の『絵本故事談』(山本序周作)8巻9冊、享保4年(1719年)刊行の『唐土訓蒙図彙』(平住周道著)14巻序巻1巻目録1巻15冊、享保20年(1735年)刊行の『扶桑画譜』(内藤道有編)5巻5冊、元文5年(1740年)刊行、自画作の『絵本鶯宿梅』7巻7冊などが挙げられる。
なお、『絵本故事談』を刊行した頃、狩野派の画法を公刊したとして狩野派を破門されたともいわれる。享保5年(1720年)刊行の自画作の『絵本写宝袋』9巻10冊や享保14年(1729年)刊行の自画作の『絵本通宝志』9巻10冊なども知られており、生涯におよそ20余種の絵本などを手掛け、版刻の精巧は緻密である。
また、肉筆浮世絵では、「摂津国四天王寺図」や、大阪市平野区の杭全神社に奉納された絵馬「影向松図」が知られている。没後の寛延2年(1749年)に刊行された『運筆麁画』3巻3冊なども知られている。寛延元年(1748年)10月17日死去。享年70。