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長陽堂 安知(ちょうようどう あんち、生没年不詳)は、江戸時代初期に活躍した懐月堂派の浮世絵師。名前の正式な読みは不明で、「やすとも」とも読まれる。
懐月堂安度の門人。長陽堂と号す。安度の門人の中で、唯一、画名に「安」の文字を使用していることや、「長陽堂」の号を持ち、「戯畫安知」の方印を用いていることから、単なる弟子ではなく、安度の兄弟あるいは子、又は壊月堂工房を継いだ2代目であるという可能性が考えられる。
正徳の頃に活躍し、大判墨摺絵8点と肉筆美人画を描いた。彼らの墨摺絵は、肉筆画の廉価版という性格のものであったようである。そのどちらも堂々として、とても引き締まった美人画が特徴である。懐月堂派の絵師の中でも優れた力量を持っていた一人であった。安知もまた、肉筆美人画の落款に、必ず「日本戯画」と冠している。
安知の墨摺絵の版元は、丸屋(大伝馬町2丁目東横町)が6点、伊賀屋(元浜町)1点、未詳1点である。