吉田半兵衛

吉田 半兵衛（よしだ はんべえ、生没年不詳）は、江戸時代初期の京都の浮世絵師。 姓･吉田氏。名･定吉。四条通御旅所の後ろに住んでいた。庄五郎という者について、絵画を学んだ。それ以外のことは、一切不明である。

しかし、浮世絵版画の初期、貞享年間、関西における版下絵師として、江戸の菱川師宣に匹敵、対抗する存在であった。井原西鶴の浮世草子の挿絵でも著名であるが、多くの図彙や浄瑠璃本などをも描いて、元禄5年（1692年）頃まで活躍した。元禄5年以降、作品が見当たらないため、その頃、没したとされる。

井原西鶴のものでは、貞享3年（1686年）刊行の『好色一代女』、『好色五人女』や、翌貞享4年（1687年）の『武道伝来記』の挿絵を描き、他に、延宝9年（1681年）の『好色花すすき』、貞享3年（1686年）の『好色訓蒙図彙』、貞享4年（1687年）の『女用訓蒙図彙』、『好色貝合』などを著作及び作画した。