岸文笑

(きし ぶんしょう)

岸 文笑(きし ぶんしょう、宝暦4年(1754年) - 寛政8年4月12日(1796年5月18日))は、江戸時代の浮世絵師、狂歌師。

文笑は、一筆斎文調の門人。姓・岸、名・誠之。俗称・宇右衛門。狂歌名・桑楊庵、頭光(つぶりのひかる、又はつむりのひかる)、巴人亭など。日本橋亀井町の町代であった。若い時(明和期)に、一筆斎文調の門に入り、黄表紙の挿絵を描いて、名を現した。

中年の頃から狂歌を詠み、後に、大田南畝の門人になり、狂歌師となり、伯楽連に属した。酒を好み、頭が早く禿げたために、頭光と称した。巴人亭の号は、南畝より受け、四方側の判者となり、名声高く、門人は大勢いた。

「ほとゝぎす自由自在に聞く里は酒屋へ三里 豆腐屋へ二里」の句は、良く知られている。代表作として、天明7年(1787年)編著『狂歌才蔵集』、天明9年(1789年)刊行の『絵本譬喩節』(えほんたとえのふし)、寛政4年(1792年)刊行の『圃老巷説 菟道園』(ほろうこうせつ うじのその)(早稲田大学図書館所蔵)などが挙げられる。また、同じく寛政4年(1792年)に、『狂歌桑之弓』、『狂歌太郎殿犬百首』を編集している。

享年43歳。墓所は駒込、瑞泰寺にある。法名・恕真斎徳誉素光居士。

岸文笑の作品所蔵美術館