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礫川亭 素潾(れきせんてい そりん、生没年不詳)は、江戸時代中期の浮世絵師。
礫川亭永理の門人。姓名不詳。礫川、礫川亭、素潾、そりん、素鱗、素隣などと号す。作画期は文化(1804年 - 1818年)頃で、錦絵及び肉筆の美人画を描いた。
錦絵では大判の「風流五節句遊」や「洗濯」などが知られている。肉筆では「品川遊君図」が挙げられる。
「品川遊君図」は海に臨む品川妓楼の見通座敷の縁側でしばし憩う二人の遊女が描かれている。障子には遊客の遣う扇の影が写っているので今まさに宴たけなわである。立姿の遊女は手を拭いながら海風に吹かれながら酔いを醒ましており、その傍に蹲る女性は障子に耳を寄せて宴の様子を窺い、宴席に戻る頃合を見計っている。
本図の美人の容貌などに歌麿晩年の作風の影響が僅かに認められるものの、蹲った遊女の正面向きの玉子形の顔などは素潾独特のものである。また絵の具を薄めに用いて着物の襞や縁側の板の継ぎ目などをうっすらと隈どる彩色法にも特色が見られる。
幕臣であった永理と同様に礫川亭を称しているため、素潾も小石川在住の幕臣であったことが推測される。