懐月堂度繁

(かいげつどう どはん)

作品

懐月堂 度繁『立姿美人図』(絹本著色)懐月堂 度繁『源氏車模様着立美人を描いた墨摺絵の一図』

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懐月堂度繁について

懐月堂 度繁(かいげつどう どはん、生没年不詳)は、近世前期の日本の画家。江戸時代初期に活動した浮世絵師である。名前の正式な読みは不明で、「のりしげ」とも読ませる。

概要

懐月堂安度の門人。懐月堂を称した。正徳から享保期にかけて、肉筆美人画および墨摺絵12点、丹絵を描いている。同様に、肉筆画のみを制作した宮川長春一派とともに、浮世絵史上特異な存在であった。『立美人』が、日本の重要美術品に指定されている。

懐月堂派 (en) の絵師の作品は、まるで型紙のように、類型化された遊女の姿態を描いたものばかりなので、個々の絵師の個性を発揮する部分は、遊女の着衣の模様程度に限定されてくる。懐月堂派の代表的な一人であり、その肉筆浮世絵に雄渾な筆致を見せている。また、最も優れた大々判の美人画を残していることは特筆に価する。

度繁の版画は、全て墨摺絵および丹絵の大々判で、版元は、伊賀屋(元浜町)版が11点、未詳が1点である。

作品

  • 『遊女立姿図』(ゆうじょ びじんず) :紙本 著色。東京国立博物館所蔵。
  • 『立姿美人図』(たちすがた びじんず) :紙本著色。宝永7年(1710年)頃の作。出光美術館所蔵。■右上に画像あり。1979年(昭和54年)4月20日に日本郵政省より発行された「切手趣味週間」シリーズの記念切手にも、懐月堂安度の『立姿美人図』とともに図柄として採用されている(安度が左、度繁が右)。
  • 『立美人図』(たち びじんず) :紙本著色。MOA美術館所蔵。

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