翠釜亭邦高

(すいふてい くにたか)

翠釜亭 邦高(すいふてい くにたか、生没年不詳)は、江戸時代中期の大坂の浮世絵師。

来歴

師系不詳。姓は不詳。名は邦高。字は子登。大坂の人。天明(1781年 - 1789年)期に主として上方役者の舞台姿半身像を描いた。

天明2年(1782年)刊行の絵本『翠釜亭戯画譜』を残しており、これは上方役者似顔絵の早い時期の作品であった。飽くまで真に徹し、役者の表情の表現は実に見事である。驚くべき鬼才ぶりを示している戯画と自称している。勝川春章を凌駕するとも劣らない快作であった。

それぞれの役者の名前のところには俳名の朱肉印が捺されており、今日遺存するものも少なく、稀覯本に属する。なお、「天明三年参卯十一月写於翠釜亭邦高」とあり、邦高之印、子登の印のある円山派風の肉筆画「孔雀図」の作者と同一人とされる。

翠釜亭邦高の作品所蔵美術館