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古山 師重(ふるやま もろしげ、生没年不詳)は、江戸時代の浮世絵師。
菱川師宣の門人。本姓・古山、俗称・太郎兵衛。初めは菱川と称し、後に本姓の古山を名乗った。また、元禄2年(1689年)当時、師宣の一家とは別に長谷川町に住し、独立を許可されているため、長谷川太郎兵衛とも称している。
天和-元禄の頃、絵本や好色本、枕絵組物、肉筆美人画などを手がけた。浮世草子の挿絵の例として、貞享3年(1686年)刊行の『好色江戸紫』5巻5冊(石川流宣作)が挙げられ、他に同じく貞享3年刊行の咄本『鹿の巻筆』5巻5冊(鹿野武左衛門作)の挿絵を描いたり、元禄の頃、艶本『はるさめこと』1帖を著したりしている。
その画風は、師宣風に似ているが、少し散漫な印象を受ける。また師宣の晩年の作風に比べるとやや地味ながらも、ぼってりとした量感を持つ重厚な作風を示している。
肉筆浮世絵の作品として、「隅田川舟中遊宴図」、「隅田川両国橋之景」、「大奥花見図」(以上、浮世絵太田記念美術館所蔵)、「桜下酒宴図」(出光美術館所蔵)、「手毬遊びの図」(熊本県立美術館所蔵)などが挙げられる。落款は、「大和絵菱川師重筆」、「日本絵菱川師重筆」、「日本絵古山師重筆」などと記していることが多い。
門人に古山師胤、古山師政、古山師継らがいる。