鳥居清久

(とりい きよひさ)

鳥居 清久(とりい きよひさ、生没年不詳)は、江戸時代中期の浮世絵師。

来歴

初代鳥居清満の門人。江戸日本橋小松町に住んでいた。作品は少ないが、宝暦(1751年 - 1764年)から明和(1764年 - 1772年)頃、紅摺絵の細判役者絵や芝居浮絵の他、宝暦2年(1752年)刊行の『男作(おとこだて)三国志』3巻1冊、宝暦12年(1762年)刊行の『倭歌須磨昔』2巻(観水堂丈阿作)などの黒本(草双紙)の挿絵も描いている。

紅摺絵では横大判の「近江八景浮絵之図」が知られており、扇面の「瀬川菊之丞」も優れた作品である。この図は菊之丞が紫の帽子をつけ、緑地に桜の模様の着物を着ているところを描いている。

鳥居派の中で、扇面に役者似顔の半身像を描いた点は注意すべきであり、恐らくは勝川春章の扇面役者絵と密接な関係があると思われる。

鳥居清久の作品所蔵美術館