一楽亭栄水

(いちらくてい えいすい)

一楽亭 栄水(いちらくてい えいすい、生没年不詳)は、江戸時代の浮世絵師。

来歴

栄水は、鳥文斎栄之の門人。一楽斎とも号す。姓名不詳。寛政(1789年-1801年)から享和(1801年-1804年)期にかけて、五十余点の錦絵作品を遺している。

同門の栄昌と比べると、栄水の方が活動期間が長い。そのほとんどは、おっとりとした表情が特徴の美人大首絵である。画風は、栄之風というよりも、晩年の歌麿風である。錦絵では、揃物「美人五節句」、「美人合浄瑠璃鏡」シリーズなどが知られ、「兵庫や内 月岡」が重要美術品になっている。

また、享和元年刊行の洒落本『色講釈』1冊、同年刊行の洒落本『野良(やろう)の玉子』1冊、同年刊行の洒落本『恵比良之梅(えびらのうめ)』1冊、 享和3年(1803年)刊行の黄表紙『安倍川婦女復讐(あべかわおんなのあだうち) 』2編5冊の他、狂歌本や若干の肉筆浮世絵美人画も知られる。以上に挙げた洒落本、黄表紙の作者は総て十返舎一九であった。

一楽亭栄水の作品所蔵美術館