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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ(Pierre Puvis de Chavannes, 1824年12月14日 - 1898年10月24日)は、19世紀のフランスの画家。
世代的にはクールベやマネなどとほぼ同時代だが、シャヴァンヌの作風は写実主義、印象派、アカデミスムのいずれとも一線を画している。しいて分類すれば象徴主義ということになろうが、19世紀フランスにおいて位置付けのむずかしい画家である。倉敷の大原美術館に作品が収蔵されていることもあり、日本では比較的早くから雑誌『白樺』などで紹介され、当時留学中の黒田清輝らも師事していた。
1824年、リヨンの織物業の名門の家に生まれる。ロマン派の巨匠ドラクロワおよび古典的な作風の画家トマ・クチュール(1815-1879)に師事している。クチュールは、当時の画壇の大家で、マネなどもクチュールの弟子である。
シャヴァンヌは、療養の為イタリアを旅行した際にフレスコ画(生乾きの壁面に直接描く壁画の技法)に魅せられ、その後の作品にはフレスコ画を思わせる色調や表現が見られる。古典文学や神話に多く題材を取り、画面には静けさと詩的で夢幻的な雰囲気が満ちている。
その絵の特徴は、立体感や遠近感、陰影を抑えた平面的で装飾的な処理、中間色を多用したフレスコ画的色調などである。彼のこうした装飾的な画面構成や落ち着いた画風は大画面の壁画に適したもので、パンテオンの壁画(1874-1878年)、ソルボンヌ大学の壁画(1887年)をはじめ、フランス各地に大画面の記念碑的作品を残している。