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ジャン・シメオン・シャルダン(Jean-Baptiste Siméon Chardin, 1699年11月2日 - 1779年12月6日)は、ロココ時代のフランスの画家。
18世紀を目前にした1699年パリに生まれ、フランス革命前夜の1779年、同じくパリで没した。ロココ美術全盛の18世紀フランスを生き抜いた画家であるが、その作風は甘美で享楽的なロココ様式とは一線を画し、穏やかな画風で中産階級のつつましい生活や静物画を描き続けた。
シャルダンは、初期の静物画『赤エイのある静物』でアカデミーに認められた。軽薄で享楽的なロココ芸術には批判的だった「百科全書派」のディドロでさえ、著書のなかでシャルダンを絶賛していた。
シャルダンの絵画は、その日常的・現実的な題材、静物画にみられる真に迫った写実表現などに、17世紀オランダ絵画の影響が顕著に見られる。それとともに、その造形感覚や光と影の描写は、同時代の画家のなかでもきわだった近代性を示しており、後の印象派に通じるものがある。
晩年の1775年の年記のある、パステルで描かれた自画像(ルーヴル美術館蔵)もよく知られている。日除け帽を被り、丸眼鏡を掛けた老画家の自画像には、絵画一筋に生きてきた画家の実直な風貌がよく表されている。