ピエロ・デラ・フランチェスカ
(Piero della Francesca)
作品
ピエロ・デラ・フランチェスカについて
ピエロ・デラ・フランチェスカまたはピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca, 1415/20年 - 1492年10月12日)は、イタリアルネサンス期の画家。
イタリア中部トスカーナ州のアレッツォ近郊の山間の町、ボルゴ・サンセポルクロに靴職人の子として生まれる。フィレンツェ派の巨匠、ドメニコ・ヴェネツィアーノに師事した。イタリア各地で制作しているが、生涯のかなりの部分を郷里とその周辺で過ごしている。晩年には数学の研究を深め、『算術論』『遠近法論』『五正多面体論』の3冊の著作を残している。ボッティチェッリなどより一世代前の、イタリア初期ルネサンスを代表する画家である。
ピエロ・デラ・フランチェスカが巨匠として再評価されるようになるのは20世紀以降であるといわれる。代表作『キリストの洗礼』(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)に見られる明瞭簡潔な画面構成、人物や樹木の単純明快な形態把握、明るい色彩感覚などには現代美術に一脈通じるものがある。
『キリストの鞭打ち』では、主題であるはずの鞭うたれるキリストの姿は画面向かって左の奥に押しやられ、むしろ画面右手前にたたずむ3人の人物の方がずっと大きく表現されている。これらの服装も年齢もまちまちな3人の人物が何を表しているかについては諸説がある。ウルビーノ公を描いた、真横向きの肖像画もよく知られている。
代表作
- キリストの洗礼 1450頃(ロンドン、ナショナルギャラリー (ロンドン))
- 聖十字架伝説 (1452-58年頃、アレッツォの聖フランチェスコ聖堂)
- ウルビーノ公夫妻の肖像<対画肖像作品>(1472-74年頃、ウフィツィ美術館所蔵)
- キリストの洗礼 1450頃(ロンドン、ナショナルギャラリー (ロンドン))
- 聖十字架伝説 (1452-58年頃、アレッツォの聖フランチェスコ聖堂)
- ウルビーノ公夫妻の肖像<対画肖像作品>(1472-74年頃、ウフィツィ美術館所蔵)
- ブレラの祭壇画 1460年代末(ミラノ、ブレラ美術館)
- キリストの鞭打ち 1453-54頃(ウルビーノ、マルケ美術館)
など多数。
日本語文献
- 石鍋真澄 『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』 平凡社、2005年
- カルロ・ギンズブルグ 『ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎』
森尾総夫訳、みすず書房 1998年、新版2006年
- マリリン・アロンバーグ・レーヴィン『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』
諸川春樹訳、岩波書店〈岩波世界の美術〉、2004年
- ロベルト・ロンギ 『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』 大著
池上公平訳、遠山公一訳 中央公論美術出版、2008年
- アンリ・フォション 『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』
原章二訳 白水社、1997年、新版2009年
- 『ピエロ・デッラ・フランチェスカ アレッツォの壁画』
美の再発見シリーズ、求龍堂 1998年、小著
- アレッサンドロ・アンジェリーニ 『ピエロ・デッラ・フランチェスカ 独自な芸術の探求者』
池上公平訳、〈イタリア・ルネサンスの巨匠たち16〉東京書籍、1993年、小著
- 『ピエロ・デルラ・フランチェスカ カンヴァス世界の大画家3』
高階秀爾ほか編、中央公論社、初版1985年
ピエロ・デラ・フランチェスカの作品所蔵美術館