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パルマ・イル・ヴェッキオ(Palma il Vecchio, 1480年 - 1528年7月)はイタリアのヴェネツィア派の画家。本名はヤコポ・パルマ(Jacopo Palma)またはヤコポ・ネグレッティ(Jacopo Negretti)ヤコポ・ニグレッティ(Jacopo Nigretti)といい、Palma il Vecchio(老パルマ)と呼ばれるのは、同名の甥の息子と区別するためで、甥の息子はパルマ・イル・ジョーヴァネ(en:Palma il Giovane, 若パルマ)と呼ばれている。
パルマはベルガモ近郊のセリーナに生まれた。16世紀のはじめ頃、ヴェネツィアに行き、評判によれば、ロレンツォ・ロットの仲間かつ競争相手となった。また、ティツィアーノの弟子に近い存在でもあった。また、パルマの初期の作品を見ると、ジェンティーレ・ベリーニの影響も見られる。一方で、ボニファーツィオ・ヴェロネーゼ(en:Bonifazio Veronese)の師匠であり、ジョヴァンニ・ブッシ(en:Giovanni Busi)に影響を与えた。
パルマの絵は色彩の豊かさに優れているものの、創意工夫や力強いデッサンに関してはあまり考慮されていない。
パルマの絵には、娘(と言われる)ヴィオランテを描いた絵が多い。ティツィアーノは彼女に夢中だったと言われている。パルマの作品で有名なものは、たとえば、ヴェネツィアのサンタ・マリア・フォルモーザ教会にある6つの絵がある。中央に死せるキリスト、その下に聖バルバラがいて、右から順に、聖ドミニコ、聖セバスティアヌス、洗礼者ヨハネ、聖アントニウスがいる。
ドレスデン美術館アルテ・マイスター絵画館にある、戸外に座る3姉妹を描いた絵は、『三美神』という名前で知られている。1900年にヴェネツィアで発見された肖像画は、ヴォオランテを描いたものだと思われる。他には、
パルマ・イル・ヴェッキオ『ディアナとカリスト』(1525年)ウィーン、美術史美術館
といったものがある。