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ジョルジョーネ(Giorgione, 1478年頃 - 1510年)は、ルネサンス期のイタリアの画家。ジョルジオーネとも表記される。本名はジョルジョ・カステルフランコ(Giorgio Barbarelli da Castelfranco)。
「眠れるヴィーナス」「嵐」などで知られるヴェネツィア派の画家。生涯に不明な点が多く、生年もはっきりしていないが、30歳台半ばの若さで没している。ジョヴァンニ・ベッリーニに師事していた。作品数は極めて少ないが、微妙な光線と柔和な形態で風景と人物を調和させ、年下のティツィアーノに多大な影響を与え、ヴェネツィア絵画に最盛期をもたらした。
彼の作品の多くは近年の研究により、異なった時代による多数の加筆が確認されている。そのため、画家としてのジョルジョーネの存在を疑問視する研究者もいる。
代表作の「嵐」(テンペスタ La tempesta)は、近づく嵐を予感させる不安な空を背景に、1人の若者と乳飲み子を抱えた女とを描く、謎めいた作品で、これが何を表した絵であるかについては諸説あり、例えば、バッコスの誕生、アダムとイブ、錬金術などのテーマを読み取ろうとする研究者もいるが、いまだに定説を見ない。X線写真によると、元々の絵では若者の代わりに裸婦が描かれ、裸婦を塗りつぶして若者を描いたことがわかっている。最新の研究では1人の人物が描いた作品とするより、異なった時代に複数の人物により上書きされている作品として認識されていることが多いようである。