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夷翠心(いすいしん、本名・西野新一、1948年 - )は、日本画家。画仙紙と絹本に彩色する緻密な画風を得意としている。
石川県加賀市山代温泉にて観光旅館を経営する父一男の長男として大阪府に生まれる。父親は大正・昭和の日本画家であった寿月。父の仕事の関係で3歳の時に奈良県へ転居。
奈良市立春日中学校在学中から画家を志し、天理高等学校に進学。1969年、二科展に「春竹一雀」を初出品し、初入選を果たす。1972年フランスに渡り当時のグラフィックデザインを勉強し商業デザイナーとして帰国する。
デザイン事務所「新通」を営みながら、当時のテレビコマーシャル分野にも進出し、日本画をイメージしたCM活動を開始する傍ら、当時の日本国有鉄道のキャンペーンであるディスカバージャパン・一枚の切符からを初め、資生堂キャンペーン等にも参加。
とあるきっかけで映画のセットデザインを依頼され映画制作美術としてセットの日本伝統美術を絵画として描き、襖とうの書家としても活躍するが日本画からの方向を外れた活動に疑問を抱き、以後日本画家として奈良県下で活動する。
1979年に発表した「湖畔双鯉」は、湖畔に佇む二匹の鯉を水墨で描き、水をも金箔で表現した画風を奈良薬師寺の高田好胤官長より絶賛の評価を受けた。それ以後は花鳥風月を題材に独自の表現を追求した。
2005年、三重県の依頼で笹ゆりの画「雅曉涼花」を描いたが、南勢町南伊勢町の町花であった笹ゆりが天然記念物に指定されたのを記念に、依頼された画が南伊勢町舎玄関に展示された。