藤田美術館
藤田美術館は、大阪市都島区網島町にある、東洋古美術を中心とした私立美術館である。1954年に開館。常設展示は行っておらず、春と秋に3か月ずつ特別展の形でのみ開館する。
藤田徳次郎のコレクションを展示している。昭和初期に藤田家蔵品の売り立てが3回行われたが、それでもなお、現在の藤田美術館には国宝9件、国の重要文化財50件を含む名品が5000点所蔵されている。
藤田美術館の所在地は、多くの蔵が並んでいた藤田家本邸の跡地である。邸宅は第二次大戦の空襲で焼失し、現在は蔵を改装した建物が展示館として使用されているが、収蔵品の質・量に比してやや手狭であることは否めない。
展示室スペース不足から、春・秋の特別展の際にのみ収蔵品を選んで展示する形態となっている(古い蔵が展示館なので、収蔵品の劣化防止のために寒暖が厳しい季節に開館できないからであるという)。
藤田邸跡の庭園は、現在は大阪市立藤田邸跡公園となっている。園内に滝を配置するなど特徴のある庭園である。
藤田邸跡公園は、隣接する桜ノ宮公園とは異なり、夕方以降は閉門され、夜間は入園することが出来ない。美術館は1年の半分は休館しているが、藤田邸跡公園は通年入場することができる。
- 名称
- 藤田美術館(ふじたびじゅつかん)
- 開館時間
- 10:00−16:30 (入館は閉館の30分前まで)
- 休館日
月曜日(祝日の場合その翌日)
開館期間
3月中旬-6月上旬、9月中旬-12月上旬
- TEL
- 06-6351-0582
- FAX
- 06-6351-0583
- 関連サイト
- 公式サイト(外部リンク)
- 入場料
大人:800円
高校生・大学生:500円
小学生・中学生:300円
幼稚園以下:無料
団体割引:20名以上
- 所在地
- 〒534-0026
大阪府大阪市都島区網島町10-32
藤田美術館 展示品
国宝
- 紙本著色紫式部日記絵詞
- 絹本著色両部大経感徳図 -現在の奈良県天理市にあった廃寺・内山永久寺にあったもので、記録から保延2年(1136年)の作とわかる。数少ない平安絵画の基準作として貴重である。
- 紙本著色玄奘三蔵絵(法相宗秘事絵詞)12巻
- 紙本墨画柴門新月図 -水墨画とそれを題材にした詩文が同じ紙面に表された、いわゆる「詩画軸」の最古の作品として著名。
- 曜変天目茶碗
- 仏功徳蒔絵経箱
- 花蝶蒔絵挟軾(かちょうまきえ きょうしょく)
- 大般若経(薬師寺経)387巻
重要文化財
仏画・垂迹画
- 絹本著色華厳五十五所絵 2面
- 絹本著色十六羅漢図 詫磨栄賀筆 16幀
- 絹本著色春日明神影向図 高階隆兼筆
- 絹本著色普賢十羅刹女像
- 絹本著色薬師三尊十二神将像
- 絹本著色羅漢図 10幅
大和絵・絵巻
- 紙本淡彩駿牛図断簡
- 紙本著色阿字義 1巻
- 紙本著色華厳五十五所絵巻残闕(十廻向十段)
- 紙本著色浄土五祖絵(道綽巻、善導巻)2巻
- 紙本著色大伴家持像(上畳本三十六歌仙切)
- 著色絵料紙墨書法華経 巻第六残闕(扇面法華経冊子)
水墨画
- 紙本墨書題雪舟山水図詩 了庵桂悟筆 附絹本著色雪舟自画像(模本)1幅
陶磁
- 菊花天目茶碗
- 肩衝茶入(在中庵)瀬戸
- 御所丸黒刷毛茶碗(夕陽)
- 耳付花生(寿老人)伊賀
- 白縁油滴天目鉢
- 色絵輪宝羯磨文香炉 仁清作 明暦三年銘
- 銹絵絵替角皿 尾形乾山作 尾形光琳画
金工
- 金銅装獅子宝相華文説相箱
- 金銅柄香炉
- 金銅密教法具 一括
染織
- 刺繍釈迦阿弥陀二尊像掛幅
- 錦幡 赤地蓮花蝶文 3旒(りゅう)
- 金銅荘唐組垂飾
その他工芸品
- 唐鞍
- 綾張竹華籠(けこ) 12枚
- 山水蒔絵手箱 銘鹿苑寺
- 小太刀 銘国行
仏典
- 紫紙金字華厳経 巻第六十二
- 十住経巻第三(中聖武)
- 法華経勧発品(装飾経)
- 法華経巻第六 万里小路宣房筆
- 金光明最勝王経註釈 巻第二残巻(飯室切)
古筆類
- 熊野懐紙 久我通親筆(山路眺望・暮里神楽)
- 継色紙(つくはねの)
- 古今和歌集巻第十八断簡(高野切)(むねをかの)
- 古今和歌集断簡(筋切8八葉 通切2葉 )
- 治承二年賀茂社歌合
- 十五番歌合断簡(素性)
- 朝忠集(八枚)
- 藤原藤房自筆書状(七月廿五日)
墨蹟
- 大燈国師墨蹟 七言偈
- 月江正印墨蹟 送別偈
- 物初大観墨蹟 山隠語(絹本) 咸淳戊辰春
- 別山祖智墨蹟 法語 宝祐丁巳(五)
- 溪西広沢墨蹟 与白雲慧暁偈語 咸淳己巳(五)上元後二日
考古資料
- 歯車形碧玉製品 大阪府南河内郡国分町(現・柏原市)出土
- 埴製枕 奈良県天理市中山町燈籠塚古墳出土
その他所蔵品
- 萩流水図屏風 尾形光琳筆
- 相撲絵巻 冷泉為恭筆
- 狂雲集 一休宗純編
- 宝船置物(加賀前田家伝来) 伝野々村仁清作
- 中蓮華左右藤花楓葉図 本阿弥光甫筆
- 平石如砥墨蹟 平石如砥筆
- 大獅子図 竹内栖鳳筆
展示画家(藤田美術館)