大阪市立東洋陶磁美術館
大阪市立東洋陶磁美術館は、大阪府大阪市北区中之島一丁目にある美術館。住友グループから寄贈された安宅コレクションと呼ばれる東洋陶磁コレクションを核として1982年に設立。
高麗・李氏朝鮮時代の朝鮮陶磁、中国陶磁を中心に、国宝 2件、国の重要文化財 13件を含む約2000点が収蔵されている。
この珠玉のコレクションは1977年に経営破綻した大手総合商社安宅産業株式会社および創業家二代目の安宅英一会長が収集したものであった。
安宅英一は社業の傍ら東洋陶磁のコレクション形成に心血を注ぎ、日本中の収集家のコレクションがここに次々と合流していた。
安宅産業経営破綻後、その所有を住友銀行(現三井住友銀行)が引き継ぎ、体系的で貴重なコレクションの散逸を惜しむ各方面の意見により、住友銀行を中心とした住友グループ各社の協力のもと、965件、約1000点が大阪市に一括寄付されることとなった。
1982年に美術館の開館とともに一般に公開された後、さらに多くのコレクターからの寄贈を受け、特に1999年には在日韓国人実業家・李秉昌からの寄贈で朝鮮陶磁のコレクションに厚みが増している。
大阪市立東洋陶磁美術館 展示品
国宝
- 油滴天目茶碗(南宋、建窯)12-13世紀 若狭酒井家伝来
- 飛青磁花生(元、龍泉窯)13-14世紀 鴻池家伝来
重要文化財
- 青磁雕花牡丹唐草文瓶(北宋、耀州窯)
- 白磁刻花蓮華文洗(北宋、定窯)(重文指定名称は「白磁蓮華文深鉢」)
- 白磁銹花牡丹唐草文瓶(北宋、定窯)
- 緑釉黒花牡丹文瓶(北宋、磁州窯系)
- 木葉天目茶碗(南宋、吉州窯)
- 青磁鳳凰耳花生(南宋-元、龍泉窯)
- 青花牡丹唐草文盤(元、景徳鎮窯)(重文指定名称は「染付牡丹唐草文大皿」)
- 青花蓮池魚藻文壺(元、景徳鎮窯)(重文指定名称は 「染付魚藻文壺」)
- 青花花鳥文盤(明・永楽、景徳鎮窯)(重文指定名称は「染付宿禽文大盤」)
- 瑠璃地白花牡丹文大皿 「大明宣徳年製」銘(明、景徳鎮窯)
- 法花花鳥文大壺(明、景徳鎮民窯)
- 高麗青磁象嵌牡丹唐草唐子文水注 12世紀
- 奈良三彩壺
国宝、重要文化財以外の主な収蔵品
中国陶器
- 《緑釉 壺》後漢時代・2~3世紀
- 《青磁 印文 四耳壺》後漢時代・1 ~2世紀
- 《青磁 神亭壺》呉~西晋時代・3世紀
- 《宮女俑》唐時代・7~8世紀
- 《加彩 婦女俑》唐時代・8世紀
- 《三彩貼花 宝相華文 水注》唐時代・7~8世紀
- 《三彩 獅子》唐時代・8世紀
- 《黒釉白斑 壺》唐時代・8~9世紀
- 《青磁 天鶏壺》南北朝時代・6世紀
- 《青磁 六耳壺》五代時代・10世紀
- 《黒釉刻花 牡丹文 梅瓶》北宋時代・11~12世紀
- 《白釉黒花 風花雪月字 梅瓶》金時代・12世紀
- 《白磁刻花 牡丹文 瓶》北宋時代・10~11世紀
- 《釉裏紅 牡丹文 盤》明時代・洪武
- 《青花 龍波濤文 扁壺》明時代・永楽
- 《青花 花鳥文 水注》明時代・永楽
韓国陶器
- 《青磁 瓶》高麗時代・12世紀前半
- 《青磁陰刻 雲文 瓶》高麗時代・12世紀前半
- 《青磁陰刻 蓮花文 盤》高麗時代・12世紀前半
- 《青磁陰刻 花文 唾壺》高麗時代・12世紀中葉
- 《青磁印花 宝相華牡丹文 碗》高麗時代・12世紀前半
- 《粉青印花 菊花文 三耳壺(「長興庫」銘)》朝鮮時代・15世紀前半
- 《粉青象嵌 龍文 梅瓶》朝鮮時代・15世紀前半
- 《粉青象嵌 蓮花文 扁壺》朝鮮時代・15世紀前半
- 《粉青印花 菊花文 壺》朝鮮時代・15世紀前半
- 《粉青面象嵌 草花文 瓶》朝鮮時代・15世紀後半
- 《粉青線刻 蓮花文 扁壺》朝鮮時代・15世紀後半~16世紀初
- 《粉青掻落 草花文 扁壺》朝鮮時代・15世紀後半
日本陶器
- 《須恵器 長頸瓶》奈良時代・7世紀末
- 《緑釉 手付 瓶》平安時代・10世紀
- 《灰釉 手付 瓶》猿投窯 平安時代・9世紀後半
- 《灰釉 鎬文 壺》瀬戸窯(古瀬戸) 南北朝時代・14世紀中葉
- 《甕》信楽窯 室町時代・16世紀
- 《耳付 花生》美濃窯 桃山時代・17世紀初
- 《矢筈口 耳付 水指》備前窯 桃山時代・16世紀後半
- 《鼠志野 草鳥文 額皿》美濃窯 桃山時代・16世紀末~17世紀初
- 《織部 切落 四方手鉢》美濃窯 桃山時代・17世紀初
- 《色絵 牡丹椿文 八角壺》有田 江戸時代・17世紀後半
- 《色絵 菱畳地瓢箪文 大皿》有田・古九谷様式 江戸時代・1640~50年代頃
- 《染付 花実文 皿》有田・初期伊万里 江戸時代・1640年代頃
- 《色絵 組紐文 皿》鍋島藩窯・鍋島様式 江戸時代・1700~40年代
- 野々村仁清 《色絵 結文香合》戸時代・17世紀
展示画家(大阪市立東洋陶磁美術館)