佐藤一郎

佐藤 一郎(さとう いちろう、1946年8月26日 - )は、日本の画家であり、絵画材料学、絵画技術学の研究者である。東京芸術大学教授を務める。

概要

マックス・デルナーの『絵画技術体系』の訳者にしてウィーン幻想派の画家ルドルフ・ハウズナーに師事した画家にふさわしい、混合技法による数々の絵画を描いている。

それは、グレーズやインプリマトューラといった技法を巧みに用い、強い光沢を備えているものもそれでいてくどくない、油絵具の透明性や物体性を活かした霊妙な作品である。

ハウズナーの作品との出会いに関しては、大学院修士課程にあったとき、小田急百貨店で開催されたウィーン幻想派展において、ハウズナーの『黄色い帽子の道化師』がデスペレートな気分に浸っていた自分の琴線に触れたと述べている。

絵画技術学の導入を、古代ギリシアの哲学者アリストテレスの『形而上学』第一巻第一章冒頭である「すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。その証拠として感官知覚〔感覚〕への愛好が挙げられる。

というのは、感覚はその効用を抜きにしても、すでに感覚することそれ自らのゆえにさえ愛好されるものだからである。しかし、殊にそのうちでも最も愛好されるのは、目によるそれ〔すなわち視覚〕である。

けだし、われわれは、ただ単に行為しようとしてだけでなく全く何事も行為しようとしていない場合にも、いわばほかのすべての感覚にまさって選び好むものである。

その理由はこの見ることが他のいずれの感覚よりも最もよくわれわれに物事を認知させ、その種々の差別を明らかにしてくれるからである。」

佐藤は、油絵具という材料の誕生の背景に視覚の何であるかという問いの存在を認め、西洋の人々が油画の(物質的な)構成要素に視覚の構造自体を仮託していたと考える。そして、絵画はイリュージョンであっても、単なる像ではなく物質として存在しているという事態に着眼する。

経歴

展覧会歴

著書・訳書・論文

教育活動・社会活動

絵画科油画専攻「絵画実技」「絵画材料」「絵画技術」、共通科目「絵画技法史・材料論」、その他文化財保存学科、藝術学科の集中講義を担当・岩手大学 (1979-81) 、宮城教育大学 (1984. 87.90. 93) 、群馬大学 (1981-83) 、筑波大学(1986.87,05,07) 、三重大学 (1984.85.88. 91. 93.94) 、愛知県立藝術大学 (1992-95.97-07)、沖縄県立藝術大学 (1995.98.99) 、高知大学 (1999,03)、信州大学(2000,03)、川崎市市民アカデミー(1997-07)、妙高高原夏の藝術学校(1998-07)、集中講義および油画実技を担当・ドイツ学術交流会試験官 (1993-95,97-98,06-07) 、宮城県美術館石膏管理委員会委員 (1993-00)、大学評価学位授与機構臨時専門委員(2000-07)、文化財保護藝術振興財団評議員(2002-07)、大学設置、学校法人審議会(大学設置分科会)美術専門委員(2004-07)、アートアニュアル(せんだいメディアテーク)審査員(2001-05)、「ファン・エイク」(1996,2005)「ベラスケス」(1999)NHK教育TV『新日曜美術館』、「ラピスラズリ」NHKBS2『なんでもクラフト』(2000)、「油絵具の特徴」放送大学講座『物質環境講座』(2001)、「台東区賞展について」(古川市講堂)講演(2001)、「油画を読む」(大川美術館)(2002,04)、「絵画技術学」(杭州、中国美術学院)講演(2007)

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