ジャン・ジャンセン

(Jean Jansem)

ジャン・ジャンセン(Jean Jansem,1920年 - )はフランスで活躍するアルメニア人画家。 卓越したデッサン力により様々なコンクールで受賞を重ね、現在に至る。 日本では1993年4月24日、安曇野に世界で初めての彼の美術館「安曇野ジャンセン美術館」が開館した。 また、アルメニア大虐殺のシリーズを描いた後に画家としての功績が認められ、フランスのレジオンドヌール勲章と故国アルメニアの国家勲章を受章した。

略歴

  • 1920年 製糸工場を営んでいたアルメニア人の父(ミリ・ジャン)とトルコ人の母(アレック)の間に誕生。戦渦を逃れて渡ったギリシャのサロニカで少年時代を過ごす。
  • 1931年 11歳、一家でフランスに渡る。怪我の治療で入院していた3年間のなかで、画家になる決心をする。
  • 1938年 パリ装飾美術学校を卒業。その後もモンパルナスのデッサン学校(ラ・グランド・シュミエール)他、様々なアトリエを訪れ絵の勉強をする。
  • 1939~46年 サロン・ドートンヌ展、アンデパンダン展、サロン・デ・チュイルリー展、エコール・ド・パリ展、時代の証人画家展に出品する。
  • 1942年 22歳、結婚。ギリシャで漁師と子供達を描く。
  • 1946~1948年 アカデミー・グラン・シュミエールに通い、様々な画家との親交を深める。
  • 1951年 民主主義者賞を受賞する。スペインで民衆を描く。
  • 1953年 アントラル賞を受賞する。
  • 1954年 フランス国家給費を受ける。
  • 1956年 定期的にイタリアに長期滞在し、風景画・人物画・宗教行列・市場を描く。
  • 1958年 サロン・デ・ジューヌ・バンチュールの会長に推される。サロン・ドートンヌの会員となる。メキシコのコンパレゾン賞を受賞する。
  • 1959年 ブルッヘのビエンナーレ展に参加する。
  • 1966年 ヴェネツィアを訪れ運河を描く。国際形象展から招待出品を受ける。(これ以後も最終回となる1986年まで21回招待出品を受けた。)
  • 1967年~ パリ、パームビーチ、シカゴ、東京、ヨハネスブルグ、大阪、アントニー等で「ベニス展」「ダンス展」「闘牛展」「デッサン展」「過ぎ去った時展」「風景展」「イタリアの風景展」「仮面舞踏会展」「マスク展」「回顧展」「石版画展」「宗教行列展」「パステル・グワッシュ・デッサン展」「カーニバル展」等を開催。
  • 1996年 長野(安曇野ジャンセン美術館)・東京(大丸ミュージアム)・大阪(ナビオ美術館)で特別回顧展、「愛と哀しみを描いて60年」展を開催。
  • 1999年 安曇野ジャンセン美術館で特別展「風景と静物画展」「花と踊り子展」を開催。
  • 2000年 安曇野ジャンセン美術館で特別展「デッサン展〜65年のあゆみ〜」を開催。
  • 2002年4月 アルメニアに招待を受け、アルメニア正教会の成立1700年を記念し同国立館にて大々的に「虐殺展」を開催。アルメニア国家勲章を受章(カラヤン、シラク仏大統領に続き三人目)。
  • 2003年 フランス国家勲章(レジオン・ド・ヌール勲章)を受章。

作品の主なシリーズ

  • バレリーナ
  • ベニス
  • 闘牛
  • マスカラード(仮面舞踏会)
  • プロセッション(宗教行列)
  • カーニバル
  • 神話
  • 虐殺

ジャン・ジャンセンの作品所蔵美術館