文浪

(ぶんろう)

文浪(ぶんろう、生没年不詳)は、江戸時代の浮世絵師。

来歴

喜多川歌麿の門人といわれる。姓名不詳。享和(1801年‐1804年)期に歌麿風の錦絵の美人画を描いた。

作品は「山姥と金太郎」がよく知られているが、半身像で、金太郎が鈴を持ち熊の人形を添えているところを描いたもので、山姥や金太郎の描写は歌麿による「山姥と金太郎」に描かれたものによく似ている。明らかに歌麿の作品を手本にして描いたことが明白である。

また、「男女鷹匠」という大首絵があるが、この人物、衣服の衣紋の描写は歌麿というより、菊川英山そのままの作風であって、英山も歌麿の晩年に近い作風を示した絵師であるが、歌麿風を消化して英山独自の画風を樹立している。文浪は、まさにその時期の特徴を模しており、典型的亜流絵師の立場をとったのが文浪であったといえる。

作品

  • 「山姥と金太郎」大判 東京国立博物館所蔵

文浪の作品所蔵美術館