ベルト・モリゾ

ベルト・モリゾ（Berthe Morisot、1841年1月14日 - 1895年3月2日）は、マネの絵画のモデルとしても知られる、19世紀印象派の女性画家。

ブールジュでシェール県官吏の子として生まれた。マネに絵画を学びながら、彼のモデルを多く務めた。マネとの恋仲を噂されることもあったが、実際は1874年に彼の弟ウージェーヌ・マネと結婚した。1879年に娘ジュリーを出産。

モリゾの画風は自然の緑を基調としたものが多く、穏やかで、母子の微笑ましい情景などが特徴的である。男性中心の19世紀における女性画家ということもあって、フェミニズム研究でのアプローチが多い。

ルノワールやマラルメとの親交もあった。モリゾの死後、マラルメ、ルノワール、ドガは16歳で孤児となったジュリーの後見人となる。

ジュリーは日記を綴ったが、そこにはマラルメや印象派の画家たちの日々の様子が描かれている。（訳書は『印象派の人びと　ジュリー・マネの日記』、中央公論社）

また没後の回顧展ではマラルメがカタログの序文を書いた。その序文は＜ディヴァガシオン＞にある（訳文は『マラルメ全集　第2巻』所収、筑摩書房）。

マラルメの弟子であるポール・ヴァレリーも「ベルト・モリゾー」、「ベルト・モリゾーについて」を書いている。（訳文は『ヴァレリー全集.10巻　芸術論集』所収、筑摩書房）。

1900年にジュリー・マネは、ドガの弟子でヴァレリーの友人でもある画家エルネスト・ルアールと、同時にヴァレリーもモリゾの姪ジャニ・ゴビヤールと結婚した。新婚2組の合同記念写真が遺されている。